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Luv(sic) Part 2 (2002年, Nujabes feat.Shing02)

音に包まれる感覚、このトラックとラップは、ため息が出るほど心地よい!


聴いているとお腹から胸の辺りまで、何だか不思議と熱くなってくる

音に包まれる感覚…

素晴らしいトラックとラップ

Nujabes(ヌジャベス) & Shing02(シンゴ2)

Luv (Sic) Part2』

 

目次

 

Nujabes(ヌジャベス)とは

2010年代半ばより世界的なムーブメントとなった「ローファイ・ヒップホップ(Lo-Fi Hip Hop)」のルーツを創り出したDJ、トラックメーカー、プロデューサーである。

 

活動期間は1995-2010年のわずか15年、Nujabesは2010年2月26日、交通事故により36歳という若さで亡くなっている。しかし、そのどこか切なげでメロウなメロディーとラップの組み合わせは、世界的なムーブメントとなり、世代や国籍を超えて幅広い層の音楽ファンに今も愛され続けている。

 

国内ではあまり知られていないが、海外の音楽シーンにおいては、最も大きな影響を与えた日本人の一人である。

 

彼のアーティスト名は瀬場 潤(せば じゅん)であり、この “Seba Jun”のスペルを反転させて、“Nujabes”というアーティスト名としたそうだ。

 

Nujabes(ヌジャベス)、国籍がどこかさえも判別がつかない名前、どんな人物か分からない。でも彼の作るトラックがめっちゃ良い!いったいどんな人物なのか?と情報が少ないことで逆に世界で注目を集める存在であった。

 

インターネットやSNSが普及した現在とは違い、自分だけでプロモーションや楽曲発表を行うのが難しい時代、音だけで勝負するなんてカッコいいし、それをやってのけた偉大な人物である。

 

 

Shing02(シンゴツー)とは

ラップとリリックを担当するのはアメリカで活躍するのMC/音楽家Shing02(シンゴツー)である。

 

幼少期にタンザニア、イギリスで育ち、15歳の時に米国カリフォルニアに移住。アメリカ西海岸のヒップホップ文化に魅せられて音楽を作るようになる。

 

1997年にMCとして初来日し、日本での活動を開始。2003年にリミックス・アルバムでメジャー・デビューを果たす。アンダーグラウンドでは、その活動が注目されるラッパーであった。

 

名前の由来は、自分の本名である安念 真吾(あんねん しんご)のファーストネームShingoから取ったもの。海外で育ってきた彼はずっとファーストネームで呼ばれており、一番馴染み深い名前であったそうだ。

 

さらにグラフィティとして、名前と数字・記号を合わせたネームに憧れがあり、アーティスト名をShing02(シンゴツー)としたそうだ。

 

単純なShingoでは他の人と被ってしまうので、アルファベットの「o(オー) 」の代わりに数字の「0(ゼロ)」を使用している。

 

語りのようなフロウとライムが印象的で、情熱が伝わってくる独特なラップが力強さを与えてくれる!!

 

 

Luv (Sic) Part2』

2000年頃、バークレーカリフォルニア州)に住んでいたShing02が、「12インチを一緒に作ろう」というNujabesからのメッセージをeメールで受け取ったのがコラボの始まりである。しかし、すぐに一緒に曲作りが始まったわけではなく紆余曲折があったそうだ。

 

詳細は下記のサイト参照

Nujabes × Shing02〈Luv(sic)〉シリーズ誕生秘話【Think of Nujabes Vol.3】 | ARBAN (arban-mag.com)

 

Nujabesの目指す最高の二小節を表現するかのように、短いメロディーの繰り返しで進行する。しかし、Luv(sic)のループするトラックは不思議といつまでも心地よい!

 

タイトル名のLove sickは、そのままタイトルにはせずに、「Love」をわざと「luv」に、そして新聞や雑誌の記事で使われる、「原文ママ」という意味の「(sic)」を足し、Luv(sic)としている。

 

その題名には「ひねくれた形の愛だけども、そのままストレートに理解してほしい」という意味が込められているのだ。

 

また『Luv (Sic)』はPart2と記載があるようにシリーズ化されており、それぞれの曲はリミックスではなく、別のトラックとリリックで構成されているので、ぜひ聞いてみてほしい。


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ところで、Shing02さんの描いた『Luv(sic)』の歌詞は ″音楽の女神に宛てて書いた手紙″ というテーマであり、詩的でめちゃくちゃカッコよい。そのため意味を知ることで、より楽曲の魅力を感じることができるのだ。

 

 

歌詞と和訳

Relax

Here we go, part two, check me out

リラックスしよう

さぁいこう パート2 を聞いてくれ

 

Once again, now where do I start, dear love

Dumb struck with the pure luck to find you here

Every morn' I awake from a cavernous night

Sometimes still pondering the previous plight

Seems life done changed long time no speak

Nowadays I often forget the day of the week

Taking it by stride if you know what I mean

No harm done, no offense taken by me

もう一度どこから始めようか、愛しい人よ

ここで君に出会い言葉が出ないほど幸せだ

毎朝、心が空っぽの夜から目覚める

まだ過去の痛みに苦しむときがあるんだ

長く話していないうちに

世界は変わってしまったようだ

今日が何曜日だったのかさえ

思い出せない事もある

君は分かってくれるかな

こっちは自分のペースで生きているさ

誰も傷つけないし

傷ついたりもしない

 

So let's rap, we'll catch up to par, what's the haps?

Perhaps we're even closer

Now after, all things considered on this side of the planet

Couldn't pick a better time even if we planned it

To come clean and candid if I have to

Oh what I wouldn't trade for your laughter

Sweet and sour spice in my poetry pot melting

Even better than the real thing

少し話そう、調子はどう、最近何かあった?

もしかしてもっと歩み寄れるかもしれない

これまでは考え過ぎてたけど

悩んでる全ての事について

お互い同じ所にいるのなら

必要なら全て正直に話すよ

今が最高のタイミングだ

君の笑顔のためなら何もいらない

甘酸っぱいスパイス

詩を書き溜めた ポットの中でとろけ出す

現実よりも ずっと素晴らしい

 

It's like the God in me saw the devil in you

I wanted to break myself in the worst way when I met you

Who would have thought, conversate by the river, celebrate birth

Sit and delivered the lines that would prove to be the seeds of trust

Unsigned, yeah but destined to grow with sunshine

Self-assigned task piled on the desk of good works

Knowing hardship appreciate the best of both worlds

まるで僕の中の神様が君の中に悪魔を見たような

君と出会って僕は最悪な形で 自分を壊したくなった

想像もしなかったよ

川辺で語り合い 誕生日を祝うなんて

座ってくれないか、君に信用してもらうために詩を送ろう

サインなんていらない、でも太陽の下

成長する運命にあるんだ

机の上には自ら課した素敵な仕事が山積みだ

苦難を知ることで

双方の世界の良さを知ることができる

 

C'est la vie, as they say L-O-V-E evidently, see every song has a sequel

Never same, everything but the name, all fresh just like back then, how we do everyday

C'est la vie, as they say L-O-V-E eloquently, see every dream has a part two

Never same, you got to keep it tight, always just like back then, now hear me out

これが人生

人がまさしくLOVEと唱えれば、どんな唄にも 続きがある

同じものなど何一つない 名前以外には何一つ

これまでと変わらぬ感覚で 何もかもが新鮮だ

誰もがそうやって 日々過ごす

これが人生

人が雄弁にLOVEを唱えれば、どんな夢にも 続きがあると分かる

同じものなど何一つない その事を決して忘れずに

いつでも、これまでと変わらぬ 新鮮な感覚で、聞いて欲しい

  

Once together, now where do we go, dear divine

I pray that you keep watching over us

From the heavens where light is the nucleus

To this space filled with darkness and negative matter

Anti-gravity pull is what I would rather, feel when I leave this shell eventually

Ties to the mother earth ground me mentally

Real vibes will keep me alive spiritually

もう1つ、さぁこれからどこへ向かおうか、親愛なる神よ

我々を見守ってください

光を核とする天国から

この暗闇と陰鬱で満たされた空間まで

いつかこの殻を破る時には

重力ではない何か そんな力に引かれたい

この心は母なる大地と結びつき

本物のバイブス※のみが魂を生かすだろう

 

※バイブスはヒップホップ用語で情熱、雰囲気、ときには説得力といった意味

 

Imagination brings bliss at no cost, when I blink blink I receive at no loss

Victory comes in small packages like a leaf of an olive tree brought back by a dove

From above, then I'm gonna rhyme love

Well you saw that one coming ever since the beginning of the end

Well anyways, I am not a perfect being, yes I am, a man full of S-I-N

想像すれば お金をかけずとも幸せはもたらされる

瞬きさえすれば 失うものなんてない

勝利は 鳩が運ぶオリーブの枝のように

小さな贈り物としてやってくる

空の上、そして僕は 愛のライム※を唄う

たぶん君は終わりの始まりまでずっと見てた

まぁ何にせよ僕は完璧な人間じゃない

そう僕は罪だらけの男だ

 

※ライムは韻を踏むという意味

 

It's like the devil in me saw the God in you

You epitomize the etymology of enthusiasm

Look it up, there lies the clouds that form the rain

That came from the ocean that flowed from the river

I'm a believer, firm with the first words, lyrical transceiver of our ancient roots

Science plus arts multiplied by faith then divided by the number of our ethnic race

僕の中の悪魔が君の中に神を見たような

君は熱狂と言う語源の典型的存在だ

見上げてごらんよ、雨を降らせる雲が広がる

その雨は 川が流れ着く先にある海からもたらされたものだ

僕は信じてる古の言葉を今に伝える役目があるんだ

(科学+芸術) x 信仰 ÷民族の数

 

Let me mention what I've been thinking

How to save the children, when the ship is sinking

So I'm singing, no lip syncing to slogans

Political hooligans with tanks, missiles and guns

Everything is relative when it's all in the family of man

Understand the time has finally come to realize the great power of one

All formulas equalize under the sun, amen

ずっと考えていた事を言わせて欲しい

沈みゆく船から 子供たちを救うため

ただ標語を揃って唱えるのではなく、そのために唄ってるんだ

戦車やミサイル、銃を持った政治的フーリガン

人類を1つの家族とすれば全ては繋がっているのに

その偉大な力に 気付く時がついに来た

あらゆる法則が太陽の下では等しいんだ

アーメン

 

The rhymes will heal cause I believe in music

In times of need I won't be leaving you sick

The beat plus the melody's the recipe

Your vibe surely brings out the best in me

The rhymes will heal cause I believe in music

In times of need I won't be leaving you sick

The beat plus the melody's the recipe

All good souls lost may they rest in peace

ライムによって癒される、だから僕は音楽を信じてる

君が病む時も僕は見放したりはしない

そのビートとメロディに従えばいい

君のバイブスが僕を最高の存在にするんだ

ライムによって癒される、だから僕は音楽を信じてる

君が病む時も僕は見放したりはしない

そのビートとメロディに従えばいい

亡き全ての善良な魂よ安らかに眠れ

 

The rhymes will heal cause I believe in music

In times of need I won't be leaving you sick

The beat plus the melody's the recipe

Your vibe surely brings out the best in me

The rhymes will heal cause I believe in music

In times of need I won't be leaving you sick

The beat plus the melody's the recipe

ライムによって癒される、だから僕は音楽を信じてる

君が病む時も僕は見放したりはしない

そのビートとメロディに従えばいい

君のバイブスが僕を最高の存在にするんだ

ライムによって癒される、だから僕は音楽を信じてる

君が病む時も僕は見放したりはしない

そのビートとメロディに従えばいい

 

 

歌詞の意味と要約

音楽の女神に宛てて書いたという歌詞

 

心に空いた穴、過去の苦しみ

世界は変わってしまった

誰も傷つけないし、傷ついたりもしない

 

でも歩み寄れるかもしれない

お互い同じ悩みなら

君の笑顔のためなら何もいらない

 

君と出会って僕は変わった

成長する運命なんだ

苦難を知ることで世界の良さを認識できる


これが人生

″LOVE″ と唱えれば

どんなことにも続きがある

同じものなど何一つない

その事を決して忘れずに

 

親愛なる神よ

我々を見守ってください

この暗闇の殻を破るには

母なる大地と結びつき

本物の情熱の心が魂を生かすだろう


想像すれば幸せはもたらされる

小さな贈り物としてやってくる

愛のライムがそれである

古(いにしえ)の言葉を伝える役目がある

 

子供たちを救うため

ただ標語を唱えるのではなく

人類を1つの家族

全ては繋がっている


ライムによって癒される

だから僕は音楽を信じてる

君が病む時も僕は見放したりはしない

そのビートとメロディに従えばいい

君のバイブスが僕を最高の存在にするんだ

亡き全ての善良な魂よ安らかに眠れ

 

 

音楽は人の苦しみ、空虚を癒してくれる。

そんな音楽への想いの詰まった詩となっている!

 

 

あとがき

Nujabes & Shing02に影響を受けて名前変えてみようかなと思い始めている。

Nayuta(なゆた)、逆転するとAtuyan(あつやん)…

 

グラフィティ数字も盛り込みたいから「A2yan」

あれっ何だか用紙サイズ感が漂ってきたな…!?

 

ハンドルネームの名付け方でお困りなら

こんな感じで考えてみて、バシッと決まればラッキーだ。

ぜひ検討してみてはいかがかな!!

 

音楽ソムリエ

なゆた

 

Luv(sic) Hexalogy

Luv(sic) Hexalogy

  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: MP3 ダウンロード