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過去、現在、未来をテーマに邦楽・洋楽、ジャンルレスに独断と偏見による音楽紹介

Go Go Round This World! (1994年, Fishmans_フィッシュマンズ)

音楽はマジックを呼ぶ、心ふるわす音が鳴りひびく!



映画Fishmansを見た

何だか胸が熱くなった

劇中で流れた音楽は

驚くほど現在(いま)の音だった

 

夢、希望、葛藤、不安、責任

様々な感情が産み出す音

どんな気持ちで音楽と向き合っていたのか?

そこにあったのは

やはりすごいバンドだった…

 

 

目次

 

Fishmansとは

1987年に明治学院大学の音楽サークル内で結成。佐藤伸治を中心として独特の浮遊感、引き込まれるメロディー、タイトなリズムとグルーヴ、90年代を駆け抜けたバンドである。

 

1999年にヴォーカリスト、ソングライターの佐藤伸治が急逝し活動休止するが、茂木欣一(現:東京スカパラダイスオーケストラ)は佐藤の楽曲を伝えたいと2005年にFishmansを再始動し、現在も活動を続けている。


レゲエ・ダブ・ロックステディを基調にロック・ファンク・ヒップホップを取り入れたサウンドは独創的で、他では聴くことができない。また、言葉を研ぎ澄ましたかのような美しい歌詞が印象的だ。Fishmansは再び世界の音楽シーンで注目されている。

 

そんなFishmansだが、商業的には成功したとは言えなかった。同時期に活動していたスピッツウルフルズがミリオンセラーのヒットを飛ばす中で、なかなか売れなかった。

 

売れたかった

認められたかった

だが、万人に好まれる音楽は目指せなかった

自分達が良いと思う音楽は最後まで貫いた

 

Fishmansの音楽は万人に受け入れられるものじゃないかもしれないけど、世の中の誰かにとっては人生を変えるような、そんな音楽を創ることを目標にしてるんだと…。

そのストイックな姿勢が印象的だった。

 

 

『Go Go Round This World!』

1994年2月発売のマキシシングル。

世界よ廻れ!

 

独特の浮遊感と軽快なビートにのせた

Fishmansの中ではPOPな楽曲

それでもどこか儚さや寂しさが漂う

いつ聴いても新鮮だ

 


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歌詞

作詞:佐藤 伸治

作曲:佐藤 伸治

La La La

もう いいよ 歩き出そうよ
ゆっくり進む 秋の日差しを
この体で グッと 感じようぜい

La La La

いったい いくつの時を
過ごして来たの
60年70年80年前の感じ
本当に確かだったのは
いったい 何でしょうねえ
時の流れは 本当もウソも
つくから

TU TU TU 歩き出そうよ
TU TU TU 歩き出そうよ

こんなに 強い日差しは今も
ふりそそぐ

この景色の中をずっと 2人でまわろうぜ
この景色の中をずっと
この景色の中をずっと 2人で歩こうぜ
このゆううつな顔もきっと 笑顔に変えようぜ

この景色の中をずっと
この景色の中をずっと
このゆううつな顔もきっと
このゆううつな顔もきっと
笑顔に変えようぜ

La La La

 

歌詞の意味

難しい言葉はない

誰もが知っている言葉ばかりだ

しかし、不要なものは取り除かれ

行間を補えるそんな歌詞

 

前半は世界が止まっている

″ゆううつ″ の中にいる

気持ちがふさぎ込んでいて晴れない

そんな気持ちをゆっくりと動かし始める

 

時の流れは止まらず廻っていく

季節は巡る

景色は廻る

どこかへ出掛けよう!

 

何十年と生きてきたけど

それだけが全てではない

それだけが確かなものなのか!

時の流れによってホントにもウソにもなる

景色の中をずっと2人で廻ろう!

″ゆううつ″ は笑顔に変えよう!

 

この当時のFishmansは、メンバー間で音楽に対する想いにギャップが生じていた。事実、この楽曲を境に一人ずつメンバーは脱退していくことになる。いい音楽を創りたいという想い、しかし、売れなきゃ、生活していくことができない。どんな音楽を目指すのか?結果は付いてくるのか?それに向けて力を尽くすことはできるのか?

 

まるで不安、責任、葛藤を抱える、自分自身を励ますような想いでこの曲はできているのかもしれない。

 

あとがき

Fishmansに限らず過去の名曲を聴くと、2つのパターンに分けられる。時代を感じさせる懐かしい曲と、今聴いても違和感がなくすっと入り込む新鮮な曲だ。

 

Fishmans佐藤伸治の楽曲は後者だろう。何十年も前に製作された楽曲なのだが、初めて聴くと、まるで昨日リリースされたかのように新鮮だ。

 

どちらが良いとか悪いとかではない

流行を追い多くの人を喜ばせる楽曲を創るのは本当に凄いことだと思う。

 

しかし、不変的に評価される楽曲はいつまでも残る。生きている時には多くの人には評価されなかったのかもしれないが、リリースから何十年が経過してもずっと愛される音楽、今もファンを増やし続ける音楽。

 

きっと多くの誰かに届いているはず

人生も変わる

少なくとも私には…